配置担当
【コミケット81 はじめに】
ご無沙汰しております、約4ヶ月ぶりに帰って参りました「配置担当者の一言コーナー」を今回もお送りいたします。未だ東日本大震災からの復旧・復興が充分には進んでいないような気がする現在ですが、少しずつでも日常が戻って来て欲しい、と被災地域からのサークル申込を見て願う、そんな配置作業期間でありました。
【コミケット81 配置辞退】
前回、震災の件もありましてキャンセル受付を行いましたが、今回はそれを配置辞退と制度化しました。配置辞退の提出期間を過ぎたものでも、配置締切までに届いたものは、イレギュラー対応ではありますが、配置辞退として扱っています。
【コミケット81 都条例と表現規制】
7月に施行された都条例について、コミケット80開催後にも具体的に大きな動きは無かったと思いますが、表現規制に向けての動きが止まっているわけではありません。ここでは細かいことは書きませんが、自分たちのことですからしっかり意見は意見として出していきましょう。
【コミケット81 オンラインテンプレート】
前回の申込から行われているサークルカットのサイズ変更ですが、今回の申込を見てまだ前回のテンプレートをそのまま利用して作成されたと思われる変形したカットをいくつも見ました(続く)。
オンライン申込される際のカット作成にあたっては、circle.msで提供されているテンプレートを必ず使って下さい。また、枠線も込みでテンプレートですので、消したり削ったりせずそのままお使い下さい(いずれにしろ外枠はシステムが自動的に付加します)。それとテンプレですから、リサイズしたら意味なしです。短冊Aの右上を空白にするのであれば、初めから短冊Bを使用して下さい。詳しくは後述します。
【コミケット81 DTP】
また、郵送申込のスキャニングによるDTP化に伴い、郵送で申し込まれる方のカット不備基準を緩和しました。とはいえ、カット全部をボールペンや鉛筆で描くことは推奨しません。スキャンした1件1件に対し完璧な補正はできませんので、普通にオフセット印刷基準で仕上げてください。
【コミケット81 オンライン申込】
全申込総数におけるオンライン申込の比率ですが、すでに3/4近くまで来ています。また、ジャンルによっては9割弱がオンライン申込となっています(これも時代ですね)。で、そうなると今度はオンライン申込での書類不備が大量にくるのですが……。そんな時に「配置担当者の一言コーナー」、読んで損はありませんよ。
【コミケット81 ツイッター】
@comiketofficial コミケット準備会では、告知やお知らせ用としてツイッターを利用しています。アカウントは先頭にあるとおりです。基本的にお知らせ用なので頻繁につぶやくことはありませんし、他の方とも絡みませんが、フォローしておくと忘れがちな締切や公式サイトの更新情報、今回の変更事項などを知ることができます。
【コミケット81 一言コーナー】
「配置担当者の一言コーナー」は今回の申込をベースとして、各担当者がそのジャンルの配置作業を行っていて気がついたこと、またはこれから申し込まれる方へお願いしたいことをお伝えするコーナーです。本音に近い部分で書いておりますので、少々表現がキツい所もあると思いますがご容赦ください。
【コミケット81 一言コーナーバックナンバー】
先に宣伝しておきますが、過去の「配置担当者の一言コーナー」がバックナンバーとしてコミケット公式サイトにて公開中です。基本的に前回カタログ掲載分までが掲載されていますので、前回申し込んだのに落選、どうも書類不備らしいがどこを注意すればいいのか判らない、という貴方!必見です!!
配置責任者
【一言コーナーの順番】
一言コーナーはジャンルコード順に基本的には並んでいます。ジャンルコードは、コミケットの公式サイトにも置いてあります(続く)
よくカットページのジャンルと一言コーナーのジャンルを合わせて欲しいというご意見をいただくのですが……無理です。都合良くページ数と一言の数は合いませんし、全ジャンルの担当者が一言を書いているわけではなく、虫食いになってしまってかえって見にくくなってしまいます。ご理解ください。
【最近の流行ジャンルの傾向】
今回ブレイク中の某ジャンルもそうですが、全体の申込サークル数に比べて、いわゆる大手・中堅サークルの数が多すぎです。男性系みたいにジャンルからはみ出してしまうような少々乱暴な壁配置を女性系ですると怒られてしまうこともあり、今回は、一部を除き、同じホールに集めているので、相当ぎゅうぎゅうです(続く)。
とはいえ、行列を作りやすい、中央通路やホールとホールの間の偽壁を活用しないことには、にっちもさっちもいかないところもあり、異例ではありますが、単一作品を分割して配置することになってしまいました。その作品の方にも、間に挟まれる形となった他の作品の方にも申し訳ありません(続く)。
しかしながら、1ヶ所にまとめてしまうと、どうしても逃がし場所が足らなくなってしまうことからの苦肉の策ということになります。ご理解ください。
【曜日割りについて】
後、今回の曜日割りで色々とご意見をいただいているのですが、大変申し訳ありませんが3日間全体のバランスというのがあります。大晦日対策で、平均年齢の高い女性系創作ジャンルを3日目から2日目にもっていく措置があり、代わりに何を3日目に移すかで調整があり、さらに3日間の1日毎の抽選率をなるべく平準化する必要がありました(続く)。
2日目の混雑のバランスについては、ジャンル割りを見ていただければわかるとおり、西地区も相当活用した形になっています。それでも2日目の東地区の混雑は大変だとは承知していますが、3日間全体のバランスということもご理解いただけると幸いです(続く)。
また、ゲーム系の方々からは、ここ最近ずっと1日目というご意見も多くいただいています。ゲーム系は元々数が多く、また、同人ソフト系3ジャンルも以前より相当増えてしまったので、一緒の日にすると、前述のバランスの問題が生じてしまいます。とは言え、現在色々と検討中です。
創作(少女)配置担当
【記入漏れに注意】
記入漏れに気をつけてください。郵送申込の場合、封筒・配置用データ・短冊・振替用紙と同じことを何度も書くのは大変でしょうが、記入漏れで落選するサークルがそれなりにいらっしゃいます。短冊の性別や前回申込欄など○をつけるだけのところが特に多いようです。
【配置の変化】
「お誕生席にもっといろんなサークルを」という御意見をいただきました。配置がマンネリになっているというお叱りと受け止めさせていただいております。マンネリにならないよう毎回何かしら少しずつ変えています。同じまとめ方でも立場によって良し悪しが分かれ、万人が満足できる配置はなく、配置に完成形はないものと思っています(続く)。
それでもどこか経験に頼って安全に走ってしまう部分があるのでしょう。精進いたします。さて、そんな訳であるサブジャンルのサークルを少し変えて別の配置をしてみました。反応は散々なもので、そのサークルと同じサブジャンルの方から一斉に苦情のアンケートをいただきました(続く)。
実は逆にこのサークルさんを名指しでいつもと違うところにあってよかった、という感想もいただきました。確かに私個人としては十分に励ませられるところなのですが、この声がちゃんとサークルさんに届いてよかったと思ってもらって、初めて成果だと言えるところです。ですので、今回は結局空振りに終わったと思っています(続く)。
この手の試みは多かれ少なかれ毎回何かしら行っています。がんばって変えてみても大体が無反応で、今回のように両方の反応まであるのは珍しくことです。成否を見てどう修正していくか、皆様の感想だけが頼りです。そして、これからもマンネリを防ぎより良い配置を求めてこうした試みは続けていきます(続く)。
【配置の変化 本音】
ある配置への批判とそれと逆の意見、そういった配置をすることになる大本の意見と、こうまで書きたいことを書くのに必要な意見がそろうのは稀有なことです。こうして皆様のご意見を元に配置はされています。アンケートにどんなことでも結構ですので、感想などの記入をお願いいたします。
【据わりの良い場所】
「自分はこのジャンルでよいのか不安」というご感想をいただきました。安心のできる配置ができていない私への御批判と受け止めさせていただいております。概要欄やアンケートからどのような場所が望ましいかできるだけ読み取って配置するように心掛けていますが、力不足があると思います(続く)。
皆さんに安心していただける配置が出来るよう努力してまいります。創作では幅広いサークルさんを受け入れられるようしています。ですが、どうしても据わりの良し悪しがジャンル毎にあります(続く)。
力不足を棚に上げてサークルさんへのお願いになってしまいますが、時間を見てコミケの様々な場所を見て歩いてほしいと思います。きっとその中にあなたにとっての居心地の良い場所があるはずです。
【カテゴリーをいっぱい】
「カテゴリーをいっぱい作ってみては?」という御意見をいただきました。確かにこれをやるとカテゴリーの仕分けを機械的にできるので、かなり楽になります。ですが、これは枠にはめることにもなり、サークルさんの自由度を下げるものと考え、当ジャンルでは積極的にはやっていません(続く)。
創作系は一人一ジャンルと揶揄される幅の広さと自由度の高さが特徴だと思っています。それをわざわざ無くすことはないと思っています。ですが、自由だからといって、何もわからないのでは配置できません。頒布物概要欄やアンケートにどのような傾向でどのような場所が望ましいか、書いてください。
【キャラモノの配置】
「キャラモノについて、バラバラに配置されている」というご意見をいただきました。キャラモノについては動物、メルヘン、ギャグなど色々な場所に要望が来ます。また、個々のサークルの要望に沿った場所に配置すると、このように「バラバラに置かれている」との御批判もいただきます(続く)。
逆に無理やりまとめると、「望んだ場所と違う」と言われてしまいます。どちらがよいのか、毎回悩むところです。いずれにしてもどういう場所に置いてほしいか、はっきり書いてください。その上でバラバラか一緒か等、どのような配置が望ましいと思うのかも書いてくださると助かります。
【館割】
「ジャンルの割り振りが毎回違う」というご感想をいただきました。ジャンル毎の館割や日程など常に見直しています。申込数によってなるべく抽選率が変わらないように日程と館割で調整するパズルになるので、安定させることは不可能に近いです。また、館割は故意にシャッフルさせるようにしています。いつも西とは思わないでください。
【デジタルへの移行】
「アナログで申し込んだが、カタログ作成ではデジタルの方が楽でしょうか? そうならデジタルにします」という御意見をいただきました。カタログ作成ではアナログカットをすべてスキャンする手間が省けますので、その分デジタルの方が楽にはなります(続く)。
ですが、配置などの作業では、オンラインの申込データを短冊と配置用データに打ち出して行っています。この打ち出しはオンライン申込の受託会社さんがやっているので、準備会としては確かに手間にはなりません。これはサークルさんが必要な書類をデータで出しているため、その書類をサークルさんの負担で受託業者が作っていると考えてください(続く)。
他に「オンライン申込の千円が安くなればいいのに」という御意見も戴いております。準備会の楽を理由にその負担をお願いするのは心苦しく思います。この金額は受託会社さんの採算の話なので、どうこうは言い難いのです。また、先のようなサークルさんから見えない手間がその中に入っていることもご理解ください(続く)。
準備会が郵送での申込を止めることは、現状においては考えられないと思っています。準備会のことを考えていただけるのは大変ありがたく思います。利用料についての御意見もあると思います。ですが、ここはサークルさんの利便と負担の兼ね合いを第一に考えて、オンライン申込か郵送申込か検討してください。
【申込書の頒価】
さて、ここで負担の話になりましたので加えて2つ。「申込書を安くしてほしい」という御意見をいただきました。準備会は当日だけでなく事前の事務処理の負担がかなり大きくなっています。参加申し込みだけで5万通程度あります(続く)。
例えば、この数の受付確認葉書の発送だけで、葉書・宛名の印刷、作業場所(集会会場)の借受、集会用事務用品に人員の手配と連絡等々、様々なものが必要です。人件費はスタッフがボランティアなのでただですが、それ以外は全て経費がかかります。それも洒落にならない額が……(続く)。
そういった申込に関わる経費を当選したサークルさんだけからいただくのは理不尽であると考え、申込んだ全てのサークルさんに負担をお願いするための、申込書の額という形を取らせていただいています。
【「プレス」は不要?】
申込書の頒価については、「『プレス』はいらないから申込書を安く」という御意見もあります。申込書に『コミケットプレス』が入っている理由は2つあります。準備会としては様々なことを皆様にお伝えしたいが手段が足りないという悩みを常に持っています(続く)。
当時、それを少しでも解消するため新たな伝達手段として『コミケットプレス』が発行されることになりました。そして、それを販売のほかに申込書におまけとして付けることにしました。これが理由の一つ目です(続く)。
もう一つの理由は、販売しやすい切りの良い額にしたいため、頒価が先に決まっているからです。その分事務経費が増えると考えても良いのですが、それよりも不足している情報伝達手段を補強した方が良いと考え、『プレス』を申込書に付けるようになりました(続く)。
元々この額で頒布していた申込書に、頒価は変わらず『プレス』が付くようになったものです。『プレス』がなくなっても元に戻るだけで申込書の額が変わることは考えられません。ご理解をお願いいたします。
【照明】
「暑い。照明を減らしても冷房を強くしてほしい」というご要望をいただきました。天井を見てもらえば判りますが、コミケでは照明を夏は50%で冬は75%にしています。普通の展示会では、この夏は節電対策で100%のところを75%に下げるよう会場から言われています(続く)。
コミケでは会場から言われるまでもなくそうしているので、かなりの省エネだと思います。これ以上照明を減らすと薄暗くなり、防犯上の問題も生じると考えています。御理解ください。その上でもう一言。冷房を強くなんてできません、あれで最強です。
【エアコミケ】
「せっかく当選したのに熱中症ダウンでエアコミケ。体調管理の難しさを実感」というご感想をいただきました。本当にWebで「エアコミケ」というページがあるのですね。教えてもらって驚きました。行けなかった人が架空のコミケを楽しむページ、よい表現と発散の場であってくれればと思います(続く)。
体調不良で来られない方、仕事や家庭の事情などでやむを得ずお休みなされた方、様々だと思います。せっかく当選したのに残念だとは思いますが、ちゃんと体を直して次に向けてがんばってください。コミケは暑さ寒さの厳しい時期に行われます。お体には十分気をつけてください(続く)。
また、お手数ですが欠席した場合は、アピール記載の手順で欠席届の準備会の送付をお願いいたします。
【椅子の回収】
「不要な椅子が邪魔。回収してほしい」というご要望をいただきました。翌日もあるので、回収したら戻さなくてはなりません。設営日に全部を一律にならばそれなりの手間で済みますが、椅子の無いところを確認して戻すのはかなりの手間、当日にその余裕はなく実質不可能です(続く)。
最終日ならばとの考えもあるでしょうが、ほかの日のサークルさんに対して不公平になってしまいます。また、回収に別窓口を設けなくてはならない、回収した椅子の置き場所など、忙しい当日の朝行うには難しい量の手間が考えられます。ご容赦ください。
【椅子が邪魔】
「机1本に椅子を4脚並べないでは判るけど、後ろに置いても邪魔になる。気付かぬ間に人を不快にさせているのではと気になってしまいます。」というご感想をいただきました(続く)。
特に西は東に比べてサークルスペースが狭いので、それを強く感じられることと思います。サークルスペースを広げる提案なども現場からは出されていますが、その分サークル数が減ることとなるため、難しいのが現状です。何かあればお互いに声を掛け合い、譲り合って当日を過ごしていただきたいと思います。
【売店】
「売店が混んでいてコミケ土産(萌菓子など)を買いそびれてしまいました。販売スペースを広くしてほしい」というご意見をいただきました。売店はビッグサイトの問題なので準備会からは何とも言えませんが、エントランスのピーク時の混雑を考えると、あまり大きく店を広げられてもちょっと困るような……。
【ネガティブキャンペーン】
「ただ“コミケのことを判って来てほしい”というのではなく、以前のネガティブキャンペーンのように“これだけ辛い”を前面に押し出しては?」というご意見をいただきました(続く)。
ネガティブキャンペーンといっても判らない人が多いと思います。モローさんのカットでコミケの苦労を伝えたことが何度かあります。なにをやっても“まさに地獄”で締められる笑いの中に現実を秘めた恐ろしいものでした。今度は久しぶりにスタッフネガティブキャンペーンでもやってほしいものです。あ、スタッフ怪獣図鑑も希望します。
【コミケットSP】
「オールナイトコミケットはもうしないのですか?」というご意見をいただきました。2005年の24時間耐久SPのことだと思います。他に晴海の初期には徹夜組と酒を飲み交わし同人誌を交換するオールナイトコミケットと呼ばれるものがあったそうですが、それは最早のどかな時代の思い出でしょう(続く)。
コミケットでは5年に1回テーマを決めてコミケットスペシャルを開催しています。これまでは、1回ずつ東京と地方で交互に行っています。前回が水戸のまちおこしSP、前々回が有明の24時間耐久SPでした。次回については、まだ準備会では話も出ていません(続く)。
同じテーマはやらないので、24時間はもうありませんが、次回のテーマに何かアイディアがありましたらアンケートに書いてください。ですが、C79のこのコーナーで書きましたとおり、サバイバルコミケは願い下げです。
【見本誌の扱い】
「見本誌の取り扱いについて、ダンボールに入れて保管は不満です」という御意見をいただきました。確かに整理して書架に入れることができればよいのですが、あのすさまじい量を入れる書架が存在するかと言えば、並みの図書館規模では無理だと思うくらいです(続く)。
コミケの見本誌倉庫の山となった箱が1コミケ毎に増えていく様は、途方にくれるほど壮観ではあります。ダンボールに詰めた本を置くだけですらビル1つ丸ごと使っていつ足りなくなるかを恐れているのに、それを書架に展開するとなると途方も無い面積が必要になります。現在の保管だけでかなりのコストをかけているのが実情です(続く)。
だからと言って諦めたら、ここまで集めてきた資料の意味がなくなってしまいます。一度散逸したらもう二度と集めることはできないでしょうし、この世から消え去ってしまう資料も多いことでしょう。同時にここで集めることを止めたら、未来永劫同人誌を資料として揃える場所はなくなってしまうでしょう(続く)。
未来への糧とするためにも、せめて集めておくことが今できることだと考えています。未来に皆が活用できるアーカイブとなることを夢見て今できることをやっていくしかないのでしょう。なお、前回の見本誌は、明治大学米澤記念図書館で閲覧ができます(続く)。
配置責任者:割り込みます。見本誌の保管については、国立国会図書館の依頼で書いた論文『はてなブックマーク - マンガ同人誌の保存と利活用に向けて −コミックマーケットの事例から−』(2008年9月/http://b.hatena.ne.jp/entry/current.ndl.go.jp/ca1672)も、ご参照いただけると幸いです。
【裾野の広がり】
「裾野の広がりすぎは好ましいとは思えない。「情熱」が失われ「消費」になってしまう。ブログやツイッターで安易にネタを出すより作品に醸成させるほうが大事」という御意見をいただきました(続く)。
この議論は何回かにわたってこのコーナーで書いてきたことですし、裾野の広がりにメリットだけでなくデメリットがあることもわかっている話です。ですが、コミケットは若者文化の発展と振興を謳う運動体の側面を持ちます。裾野を広げ新たな表現を受け入れるのは存在意義と言っていいことです(続く)。
裾野の広がりから来る新たな参加者や新たなメディアから来る表現の悪影響を危惧するだけなら、マンガを悪書として危惧した人たちと変わらなくなってしまいます。それをわかった上で受け入れ、その良い点を認めて更なる発展を促すことが、コミケットの立場であり、マンガファンのあるべき立場だと思っています(続く)。
だからこそ、新たなメディアや参加者を認め受け入れた上でその行く先を見守っていくのが、すべての表現を受け入れると明言したコミケットのあり方だと思っています。
【会場の正式名称】
「コミケットプレス」に掲載されたコミケット基礎クイズについて、数多くのアンケートで好評との御感想をいただきました。このクイズの内、場所についてのものはある部署が集会でスタッフ向けに始めたもので、一度私もやらせてもらったことがあります。何問か間違えてしまいました(続く)。
普段関わらない場所等は間違った通称で覚えてしまっているのに驚きました。準備会の公共地区担当では、参加者に混乱をさせないよう会場の看板などの表記とあわせた案内をするため、正式名称で場所を呼称しています。皆さんもこの記事をきっかけに会場の正式名称を覚えてみてはどうでしょう。ちょっとしたウンチクになって楽しいですよ。
【好きでいたい】
「プロを目指します。でも同人を道具にしたくありません。とにかく同人誌を“好き”でいたいから」という宣言をアンケートに書いていただきました(続く)。
“好き”は最初の原動力だと思います。一般、サークル、スタッフの各参加者全てがその“好き”のために邁進するのがコミケットの姿だと思っています。もし仕事ならこんな(採算を度外視した、立場を無視した等々……)馬鹿な真似はできないことを、皆平気でやっています(続く)。
職業として採算を考え、職人として最高の作品を作ることはプロとしてとるべき姿であろうと思います。“好き”だけではできなくなってしまいます。“好き”であることを越えてプロになろうとしている方々と、既にプロとなっている方々に心よりエールを送ります(続く)。
“好き”だけで採算を無視した同人誌という場所があり続けることができるよう、そして、そこが旅立ち帰る場所であることができるよう、スタッフ一同がんばって行きたいと思います。
創作(JUNE)配置担当
【ゲイコミックについて】
繰り返し申し上げますが、申込ジャンルがJUNEで、作品傾向が「ゲイコミック」(主として男性読者向け)の方は、「頒布物概要」にその旨を必ずご記入ください。書き方としては、「ゲイコミック」か「男性向け」だと明確なのですが、「ホモ」ではさすがに判断に迷います。「ガチホモ」ならほぼ迷いませんが……(続く)。
「JUNEは女性向けジャンルなのだから、ゲイコミックはジャンル違いでは?」というご指摘も一部にはあります。これについては、まだBLという言葉もなく「耽美系」と呼ばれていた時代に、創作(JUNE)に申し込んだ男性向けゲイコミックサークルを受け入れてきた経緯があるとご理解ください。
配置責任者:割り込みます。ゲイコミックがJUNEでジャンル違いなら、どこがふさわしいのでしょうか? ジャンルというのは、ある観点で世の中の事象を切り取ることでもありますので、ある程度の割り切りが必要であるということもご理解ください。
【ショタについて】
最近「男性向けショタ」と明記される方が時々あります。これもゲイコミック同様に受け入れていますが、今のところその他のショタと厳密には区別して配置していません。明記されない場合、男性執筆者だから作品も男性向けと決めつける訳にもいかないので、今後数が増えない限り現状維持のつもりでいます。
【BLでも二次創作(パロディ)はすべて不備扱いです】
当ジャンルは創作ジャンルですので、パロディでの当ジャンルへの申込は「ジャンル違い」で不備扱いになる典型例です。元の作品に対応したジャンルで申し込んでください。例えば、BL小説ならFC(小説)、BLマンガならFC(少女)、BLゲームならゲーム(恋愛)となります。
【ジャンル名称について】
「JUNEという言葉自体が若い世代には通じない。新規参加を阻んでいる面もあるのでは?」というご指摘がありました。比較的年齢層の高いジャンルだという認識はありましたが、確かにジャンル名称は一考の余地があると思います。配置担当者の一存では変えられませんが、例えば「BL」を付加するとか……?
ジャンル名称については、申込時のアンケートにご意見をいただければ幸いです。皆さんのご意見を参考に検討していきたいと思います。
学漫配置担当
【書類不備】
今回は最近ではかなりよかったかと思いますが、やはり書類不備が他のジャンルと比べてもかなり多いです。学校名不記載・学校名略称記載のために判別不能のような、このジャンル特有の書類不備は後述しますが、それ以外は単純な記入漏れなどが主なものです(続く)。
慣れに頼ろうとしても、学漫ジャンルは申込責任者が代を追って入れ替わるので、それが無理なのは判っていることです。その代わり、多人数でチェックし合えば、ケアレスミスは防げるはずです。サークル人数の多い学漫だからこそ、ちゃんとチェックをしてください。
【学校名を記入してください】
毎度書いていることですが、学漫で申し込んでいて学校名を書いていなかったり、略号だけのサークルが、相変わらず後を絶ちません。サークル名・カット・頒布物概要のいずれかに略称ではなく正式な学校名を入れてください。50音リストに学校名が記載されるので、サークル名への記入を強く勧めます。
【関連団体の申込】
漫研には支援¥研究などの関連団体や汎学校間組織も含めています。かなり間口は広くしてあると思います。ですが、漫研というジャンルにどういう理由とどういう立場で申し込むのかは、頒布物概要に毎回しっかりと書いてください。学校名・理由のないサークルは、書類不備として扱っています。
【一言について】
さて、先にも書きましたが、今回書類不備がいつもより減っていました。もし、このコーナーに書いていることを読んで直してくれたのなら、うれしい限りです。「どうせ誰も読んでいないのでは?」と憤りながら書き続けていましたが、『継続は力なり』という言葉を改めて思い起こしました。これからもよろしくお願いします。
評論・情報配置担当
【ジャンル違い】
当ジャンルのごった煮的性格上、全ジャンル中、もっともジャンル違いにうるさくないジャンルですが、それでも、明らかに他ジャンルが当てはまるサークルさんは、抽選漏れとさせていただいています。申込書をよくお読みの上、適切なジャンルの選択をお願いします。(続く)
例えば、アニメ、ゲーム、特撮に関する評論は、それぞれ、ジャンルコード500「アニメ(その他)」、ジャンルコード300「ゲーム(その他)」、ジャンルコード620「特撮・SF・FT」でお申し込みください。
【合体の傾向】
合体申込で、あまりにも傾向の違う合体は、同じジャンルとはいえ、配置が非常に難しくなります。できればやめていただけると幸いです。
【よくわからない自己主張】
自分のサークルはどんな本を出しているのか、頒布物概要にて説明を丁寧にお願いします。説明がないと、意に沿わない場所に配置される可能性がどうしても高くなりますし、まず配置担当者に伝わらなければ、買いに来る一般参加者にはもっと伝わりません。
【多様性】
抽選にあたっては、なるべく多様性が確保されるように、いろんな傾向のサークルを当選させるようにしています。当ジャンルは、ある意味もっともコミケらしいジャンルの1つですからね。