配置担当
【申込書の書き方】
参加申込書セットに書いてあることをもう一度細かくおさらいしてまいりましょう。これだけでサークルカットや短冊についての書類不備はほとんど無くせるはずです。連続で落ちているサークルさんも、もう一度見返してみればミスは無くせると思います。次回申込の際の参考にしてください。オンライン申込の方も読んでおいて損はないですよ。
【大前提】
『コミックマーケットはアマチュアの為の展示即売会です。法人、営利目的などの団体の参加は基本的にお断りします。また頒布物もオリジナルのものに限ります。』 企業で参加されたい場合は企業ブースにお申込みください。詳しくはコミケット公式サイト、企業参加サポートページをご覧ください。
【申込書の書き方】
カタログカットページのデジタル化に伴って、短冊作成時の「お約束」が若干ながら変更になっています。できる限り一つ一つ丁寧に解説していきますので、目を通すときはお手元に参加申込書セットをご用意いただき、オンライン申込の方は、circle.msにあるカットのテンプレートページも参照しつつお読みいただけると理解が早いと思います。
『書類記入は全て黒一色のペンなどを使い、楷書(英字はブロック体)で丁寧にわかりやすく記入して下さい。鉛筆の使用や、“ブルーブラック”などの色の付いたペンの使用は禁止です。』 配置用データや短冊のカット以外を記入する場合は、これに従ってください。カットの場合は後述します。
【説明の前に】
用語の統一を行いましょう。申込書にある短冊はcircle.msに用意されているサークルカットテンプレート・短冊Aと同一のものです。カット内は枠線で区切られ、それぞれ左上に「スペース欄」、右上に「サークル名欄」、中央に「カット欄」となっています。短冊Bの方はサークル名欄とカット欄を区切る枠が無く、「カット欄」のみとなっています。
【短冊の書き方】
『各記入欄にD.配置用データの内容を正確に書き写して下さい。』 書いてある通りですが、意外とミスも多い部分です。特に「サークル名(カナ)の表記ミス」「生年月日や性別、ジャンルコード、前回申込や販売数等の未記入」「頒布物概要の食い違いや表記内容の違い」などが目立ちます。投函前に再度確認を忘れずに。
『短冊を2枚以上送付した場合は、書類不備とします。』 予備は入れなくて結構です。また切ったカットを用意してくださる方もいらっしゃいますが、これも結構です。逆に、短冊からカット部分を切り取ってしまった場合は、テープで止めてあっても書類不備となります。申込書の二片の内の片方は書き損じたときの予備ですよ。
『スミ一色(ボールペン、鉛筆は禁止)で書いて下さい。』 カット部分で鉛筆やボールペンを使用して描かれたサークルカットでは、描かれた部分がかすれたり綺麗に印刷に出ない可能性があります。ちゃんと印刷に出ない以上、カタログに掲載しても意味が無いということにも……。ともかく、上記筆記具でのカット記入はお止めください(続く)。
カットページのDTP化に伴い、郵送申込分のカットはスキャニングして掲載されるようになりましたが、ここで少々の変更があります。カット内で「ボールペン」の使用は禁止とはいえ、以前のように即書類不備とすることはなくなりましたが、きれいに出ないと判断した場合は抽選洩れとしています。いずれにせよ、ボールペンの使用はかなりお勧めしません(続く)。
プリンタで出力したカットやコピーして作成したカットなどで、しっかりとした白黒2値で作成されたものでなければ、やはり書類不備となります。結論として、意図したものがカタログ掲載時に出れば構わないのですが、そうならないと判断されたものは、やはり書類不備と扱われてしまいます。十分に注意してください(続く)。
また、下書きを色鉛筆で行うことも多いと思いますが、この下書きをスキャニング時うっすら拾ってしまう可能性があります。ですので、濃い目の色鉛筆の使用はなるべく控えてください。カタログを見ていると、若干ながら下書き線が見えているものがありましたので、下書き線を濃く描かないように注意してください。
『頒布物概要の記載に沿った内容で書いてください』 単純な話です。Aというアニメの本を出すと書いてあってカットがBというマンガのキャラだったり、書いてあるカップリングからは想像できないようなカットだったり、一般向と書いてあるのにカットが男性向だったり……。正直な話、配置しようがありません……。
『左上にはスペースナンバーを入れますので、何も記入しないで下さい。』 ようやく減ってきましたが未だにここの不備が多いので、詳しく書きましょう。まず、一切の描きこみは禁止です。左上枠内に絵を描いたりすれば、即書類不備となります。また、枠内を塗りつぶしたり、枠自体を消したり加工しても書類不備となります。
『また、紙、トーン、保護フィルムなどを上から貼らないで下さい。』 ここについては若干緩和されています。紙版下への配置番号の貼り込み作業が行われなくなりましたので、前記禁止事項が守られている限り、書類不備として扱わなくなりました。但し、厚手の紙に出力して貼ると、確実に影が出ます。そこだけは注意してください。
『左上の部分を区切っている枠を消さないで下さい。』 前記していますが、大事なことなので繰り返します。「枠線を加工したり」「枠線を消したり」「枠内の大きさを変えたり」した場合、やはり即書類不備となります。circle.msにあるサークルカットテンプレート・短冊Bを例に説明しますと、カット欄以外は枠線も含めて全て編集不可です。
『右上の部分は〜。サークル名は必ずカット内に分かりやすく記載して下さい。』 最近ではあまりうるさくは言ってませんが、本来はサークル名を記入する場所です。ここを空白にして、カット欄にサークル名だけを書いてくるのはお止めください(サークル名部分のインレタが剥がれたと認識され、オンラインでもカット不備の扱いとなるためです)。
『右上の部分を区切っている枠は、なるべく消さないで下さい。』 なるべくですので、別に消してもそのことによる書類不備はありません。逆にサークル名をカット欄に書く場合は、枠線を消してサークル名欄とカット欄が繋がっているようにしてください。オンライン申込の場合は始めからテンプレート・短冊Bを使用してください。
『サークルカットはカタログに掲載される際に約66.7%縮小されます。』 意外とこの注意を忘れてカットを作成されている方を見受けます。郵送にせよオンラインにせよ、小さい文字や細かいトーンやグラデはまず潰れます。確認方法としては、まず印刷してそれを少し濃いめに掲載時の大きさで縮小コピーしてみてください。
『複数サークルの連続したカットはご遠慮下さい。』 合体申込において、二つのサークルカットが連続することで判るようなカットやレイアウト、鏡写しにしたようなカット、または同じようなデザインで構成されたものも時として連続したカットと判断されます(特にオンライン申込でのこの不備が多くなってます)。
『カットに何かを貼る場合は〜。』 もしこちらに到着した後で、事務作業上でカットが破損したとしても直せる限りは直しますが、貼ってあったものが紛失してしまった場合、直しようが無いのでそのままサヨナラに……。サークル名ロゴや髪のトーンなど、剥がれやすいものはご注意ください(続く)。
また、プリンタ出力したものやコピーを貼り付ける際の注意点として、紙質と糊との相性に十分注意してください。相性が悪いものですと、使用されている物質と化学反応を起こしカット全体が黄色く変色してしまい、酷いものになるとコピーしても真っ黒くなってしまうものもあります。まずはご自分で試してみては?
『また、貼り込む紙が厚い場合、スキャニング時に影がでてしまいますので薄い紙を、スキャニング時に写り込まないように裏に何も書かれていない紙を使ってください。』 説明はいりませんね。裏写りはもとより、厚手のシール時のもの(出力したものやインレタなど)を貼ってある場合、やはりうっすらと影が出てしまいます。
『ロゴマークなど知的所有権に抵触するものは、使用しないで下さい。』 企業やブランドのロゴマーク、作品のタイトルロゴ、また(TM)などが表記されているものをそのまま使用しないように心掛けてください。難しい問題に発展する事もありますので、疑わしいカットの場合は抽選漏れの扱いになると思います。
『写真使用の場合、肖像権や著作権などに抵触しないものにして下さい。』 特に人物が写っているものは、それが例えサークル代表者本人であれ、それをこちらで判断する術はありませんので、使用する際には十分に注意して使用するようにしてください。使用許諾を受けた際には、その旨を頒布物概要に明記してください。
出力したカットを貼りこむ際の一番の理想は、1)まず左上部分を黒枠部分にかからないように切る。2)外枠の黒枠部分にもかからないように周りをきれいに切る(もしくは、黒枠を同じ幅分黒で書く)、3)剥がれないように糊でしっかりと貼る(メンディングテープは確実に剥がれます、プラスチック糊も粘着力が弱いです)。
困った申込。1)カットがカラーのもの(白黒で作成して)、2)カットにメーカーロゴや商標、元作品やタイトルロゴをそのまま使用しているもの(勝手に使っちゃダメ)、3)カットに元の作品の写真をそのまま使っているもの(せめて一工夫を)、4)短冊の周りをきれいに切っていないもの(点線に沿ってきれいに切ってね)(続く)。
5)短冊自体を自作したもの、もしくは短冊ごとコピー(申込書の短冊を利用してください)、6)カット部分の枠線のみを残しカット欄をくり抜き、後ろからカットをはめ込む(素直に上から貼ってください)、7)合体時の短冊入れ違い(オンライン申込でもアップロードされたカットが互い違いになっている場合がありました)(続く)。
8)合体相手とジャンルコードが違う(両方共々書類不備です)、9)カットをコピーした紙が、裏紙や広告の裏でそのまま裏が印刷に出てしまうもの(もうちょっと気を遣いましょうよ)、10)短冊を封入の際に天地を逆に入れてしまったがために、開封作業でカット自体が切られてしまった(短冊裏に注目!ちゃんと書いてあるでしょ?)(続く)。
11)カットが真っ白、短冊も真っ白(オンラインでアップが間に合わなかったものもコレ)、12)短冊無し(…………)、13)カットやトーンの糊付けが甘く剥がれてしまった、14)逆に糊が多く、カットの回りにはみ出してしまってカットが糊だらけ……(配置用データにくっついて離れないんですよね。剥がしてもビリビリだし……)。
【その他の注意】
1)配置用データが「山折り」に沿って折っていない(折りなおすの大変なんですよ)、2)申込とカットのサークル名が違う(省略系など認める場合もありますが、スペルミスも含めてて基本的にNGです)、3)「○連没です」と書いてあるのに、前回・前々回受付番号が書いてない(この番号で追ってますので必ず記入してください)(続く)。
4)貼ってあるのが「払込金受領証」(それはご本人様保存用です、貼るのは右端の「郵便振替払込受付証明書」ってヤツね)、5)機械振り込みしたもの(窓口受付のハンコが必要です)、6)払込受付証明書が貼ってもないし入ってもいない(貼り忘れでしょうか?)、7)真っ白な払込受付証明書が貼ってある(流石に参加費は払って……)。
【短冊の書き方】
『サークルカットはサークルの顔です。』 貴方のサークルがどんなサークルでどんな活動しているかは、基本的にはそのサークルカットでしかわからないわけです。これは当日買いに来てくれる他の方や、実際に配置を行っている我々ですらそうなのです。気合の入ったカットで、できる限り丁寧にお願いしますよ。
最後になりますが、連続落選救済も書類不備やダミー申込発覚で無効となります。「今回は必ず当選するから」といって気を抜いたり、複数サークルの申込をすれば、それはそのまま貴方に「抽選漏れ」という形で返ってきます。作品発表の機会を、自らの手で摘み取ってはいませんか?
私たち配置担当は、できる限り多くのサークルを入れ、当日を楽しく過ごしてもらうために配置場所や配置の順番に気を遣います。またそのジャンルを好きであるからこそ本を買いに行き、またはそのジャンルで活動しています。貴方の「好き」は、その申込書類やサークルカットから、受け止めることはできますか?
【オンライン申込】
既に申し込み全体の約8割がオンライン申込となっています。それに伴い、オンライン申込でも書類不備の数が増えています。いくら郵送申込の時に発生するような書類不備がないとは言え、人間のすることですから必ずどこかに間違いが発生してもおかしくありません。そこでオンライン申込時の注意点を挙げていきます。
基本的事項ですが「タイプミス」が非常に多いです。また、カット内のサークル名が略しすぎていて元のサークル名が判らなかったり、まったく違うサークル名だったり……。また、氏名欄にペンネーム、住所欄が空白や途中で切れていたり番地が抜けている、住所欄にURLやメアドが書かれている、と挙げればキリがありません(続く) 。
それと英字サークル名のスペルミスがかなり多いです(1文字多かったり少なかったり、LとRを間違えていたり)。また、不備ではないですけどカット表記と違うのも気にはなります(全角半角がごちゃまぜだったり、大文字小文字が合ってなかったり)。入力するサークル名とカット表記は必ず「同一」でお願いします(続く)。
特に住所・氏名については、当選後のサークル通行証、抽選洩れの払出証書の郵送先なのですから落ち着いて入力してください。申込書セットにあります期日より1週間以上経っても「参加受付葉書」が届かなかった場合、誤入力の可能性があります。慌てず間違わないように、確実に入力してください。
【閑話休題】
住所の話が出たのでついでに……。オンライン申込が増えたせい、という訳では無いのでしょうが、住所欄に「私書箱」や「郵便局留め」を記入される方が徐々に増えてきている気がします。が、基本的に全て書類不備として扱っております。準備会からの郵送物がお手元に届く、現在地の住所を必ずご記入ください。
【オンライン申込】
最近、コミケットって国際化したなぁと思います。と言うのも代表者名に異国の名前を良く見かけるようになったのですが、いかんせん準備会のシステムはまだ中国語や台湾語(繁体字や簡体字)、韓国語(ハングル)、ロシア語などに対応してません。カタカナや英字での記入をお願いいたします(続く)。
割り込みます。現在コミケットのシステムでは、JIS第1水準・JIS第2水準の漢字しか扱えません。その理由の1つには、抽選洩れサークルにお送りする払出証書が、JIS第1水準・JIS第2水準の漢字しか受け付けないからです。ご理解ください(詳しくは「JIS_X_0208」で検索してみてください)。
ジャンルコードと共に入力するサブジャンルですが、殆どのジャンルで細かいジャンル補足が設定できるようになっています。そして配置担当者に引き渡される際、このサブジャンルでソートされた状態で渡されます。該当する箇所が判らなければ未選択で構いませんが、逆に選択する場合は間違えないようにしてください。
ほんの少しですが、カット内のサークル名欄の罫線がずれているものがありました。C80からサークルカットの大きさそのものが変更になっていますが、未だ古いテンプレを使用している? または、テンプレの外枠を削ってカットサイズを変更してしまったものと邪推しますが……。文章だと判りづらいかもしれませんが、詳しく書きますと……(続く)。
アップロードされたサークルカットは、1)テンプレと違うサイズの場合、アップロードできません。2)全てのカットにテンプレ・短冊Bのカット欄をくり抜いたものを上書きしています(スペース欄および外枠についての一切の編集を無効化しそれによる書類不備を無くすための処置です)。
PC上だけで作業していて、印刷されることを考慮に入れて作成されたのでは無いだろうな、と思われるくらい小さなフォントで記述されたサークルカットを見かけます(特に印刷とは普段縁のない「同人ソフト」や「デジタル(その他)」のジャンルで)。潰れて読めないと判断されれば、そのまま抽選洩れとなります。
黒ベタに白抜きのカットや目の細かいトーンやグラデ、グレースケールのカットなど、カタログ掲載時に真っ黒にしかならないのではないか、というカットも多いです。ROMカタログですらうっすら見える程度ですから、冊子版カタログの方は……。ホワイトバランスの調整や文字の大きさ、文字の周りを縁取りするなど見やすさも考えてください。
頒布物概要やサークルカットにURLだけ書いてあるものや、「←これで検索」と矢印指定されているものがあるのですが、作業中にパソコンが必ず立ち上がっているわけじゃありません。しかも、特に冬コミの配置作業期間は短いので、その一手間をかけるくらいなら他のサークルさんを……、となる担当者もいるかもしれません(続く)。
それと、ジャンル補足が選択してあるからといって、頒布物概要に活動内容が記入されていないものも散見されます。そのサブジャンルでどのような活動をされているのかを知りたいわけですから、説明が無い以上、誤配置をしないためにもあえて配置しない、ということになります。逆に言えば、ここが「配置上一番肝心な場所」となります。
オンライン申込は「手を抜く」ためにあるのではなく、「手を掛ける時間を増やす」という発想の転換を行ってください、ということをお伝えしたくなるくらい、酷いカットや申込があるということなのですが……。もうこれを読んでいる時点で次回が始まっていますよ。早速申込準備を始めてみてはいかがですか?
circle.ms にサークルカットのテンプレートやサンプルが掲載されていますので、参考にしつつ作成してみてください。オンライン申込では、基本的に記入漏れによる書類不備はありませんから、誤記入やカットのアップロードミスには十分に気をつけてください。それでは!
【どうでしたか?】
配置担当者の一言コーナーをお送りいたしました。ご意見、質問、感想などはアンケート欄にご記入いただければ、全て目を通させていただいておりますので、そちらにお願いいたします。それでは、また次回〜! (冬の配置作業期間が短い! と文句を言い続けた結果、一週間伸びました(祝)。代わりにこれを書く期間が短く……(泣)。