コミックマーケット71アフターレポート

会場
東京国際展示場東京ビッグサイト)全館

会期
2006年12月29日(金)〜31日(日)

サークル数
参加サークル数3万5千
申込サークル数4万5千


入場者数
29日(金)13万人
30日(土)15万人
31日(日)16万人


更衣室登録数
 一般
(一般参加者・サークル参加者)
企業コンパニオン他
男性女性男性女性
29日(金)7803,49218205
30日(土)9893,75110130
31日(日)1,2812,10716196


献血数
29日(金)158人
30日(土)149人
31日(日)188人


コミケット公式発行物


マスコミ取材
 コミックマーケット71取材申込一覧



 2004年・2005年と2年続いた冬コミケの2日間開催で、最大の問題は言うまでもなくサークルの抽選率が極めて悪い、ということでした。 コミケット67(04年冬)が約50%、コミケット69(05年冬)が約52%の抽選率、 つまり、2日間開催の時は、2サークルに1サークルは落選する状態です。 これが3日間開催となると抽選率は約70%と劇的に改善されることになります。 しかしながら、2002年・2003年のように土日がうまく年末に絡まない状況において、 冬の3日間開催をどのように行うべきか、準備会としても非常に悩ましい問題でした。 準備会スタッフに何度も意見を聞いたり、サークルの皆さんにアンケートを実施したり、 経費の確認作業(年末年始に業者さんを動かす場合、当然人件費等が割増になります)を行ったりと、 様々な検討作業を行った結果、31年間の歴史においてはじめて大晦日までコミケットを行うことにしました。 そして、当日は、大晦日であることに起因しての大きな問題は特に起きませんでした。 今後の冬の日程に関しても会場側と調整し、できる日程で可能な限り3日間開催を目指そうと考えています。
 さて、ここ最近のコミケットにおいては、周囲を管理しているお役所との調整が、準備会の悩みの種です。 今回は、りんかい線国際展示場駅ロータリー周辺での、コーン・コーンバー・立て看板の設置において港湾事務所との調整が難航しました。 コミケットへの来場者だけでなく、周囲のオフィスビルへ通勤される方や癌研病院へ来訪される方を効率よく誘導するために、 深川警察署にも了解をいただいてこれらの道具を活用しているわけですが、その趣旨がどうにも理解していただけず、 何度も交渉をすることになりました。 立て看板にいたっては、電柱にくくりつけられた不動産の案内と同じ扱いにされる始末で、 結局、立て看板を準備会スタッフが持って(!)誘導したりすることになってしまいました。
 前回のアフターレポートでも触れましたが、有明地区周辺はオリンピック誘致と軌を一にして開発が進んでいます。 今回も北駐車場の一部が工事のため使用できず、少数ながらもサークル駐車券の発行をお断りすることになってしまいました。 この北駐車場も、非常に近い将来国営東京臨海広域防災公園 として完全に使用できなくなりますし、準備会スタッフ向けの駐車場に利用している G1街区も取得希望者が現れており、 こちらも使えなくなることになります。ビッグサイト側も、東駐車場の海側を埋め立てて新しい駐車場を作ることを進めていますが、 しばらくは、サークルの皆さんにご迷惑をおかけする状況が続くと思われます。
 いずれにせよ、東京ビッグサイトという場所で、スムーズにコミケットが開催できるように、関係機関と調整しつつ、 利用できるリソースを最大限活用し運営をしていきたいと考えています。
 このような会場周辺事情だけでなく、ビッグサイトにおいても色々な変化がありました。イベントプラザに「屋台村」が開設され、 ラーメンや丼物、コーヒーなどを購入できるようになりました。合わせて椅子とテーブルも設置されましたので、 早速利用された方も多かった思います。また、コンコースにてビッグサイトが荷物の預かりサービスを実施しました。 1日目のサークルが3日目の友人のサークルに委託する場合や、 コミケットの後にビッグサイトで開催される他の即売会まで預かってもらうなどの形で活用できるかもしれません。

 冬のコミケットで参加者全員を悩ませるのは海からの冷たい強風です。 一昨年のコミケット69同様、好天には恵まれたこの冬のコミケットですが、いつもよりもさらに強烈な風が会場を襲いました。 その強さは、ビッグサイトの外で活動している準備会スタッフの拠点となるテントを立ちあげることをあきらめざるを得ないほどでした。 また、通常ならば、シャッターを開放して混雑サークルの行列を外に流しているわけですが、 机の上に並べた同人誌が風で吹き飛んでしまうため、1日目・2日目の東456地区の横のシャッターは、開けないで運用しました。
 1日目・2日目は女性系のジャンルが中心です。とびきり旬というようなジャンルも少なかった1日目は、 当日もまだ休みではない会社も多いせいもあってか、若干来場者は少なめでした。 2日目は、いつものジャンプ系などに加えて、 主婦層が多くかつ参加者の平均年齢が高いことに配慮して大晦日となる3日目から2日目に曜日を変更したJUNEを配置しました。 そして、3日目、男性系が中心ですが、大晦日にもかかわらずこれまでとさほど変わらない数の来場者がありました。 さすがに午後からの人の引けはいつもよりは早いようには感じられましたが、危惧されていた撤収もむしろスムーズに終わり、 つつがなくコミケットを終えることができました。
 会場内での大きなトラブルといえば、前日の企業ブースでの搬入時に起こりました。 西4Fへのスロープを経由しての車両での直接搬入は、会場規則として重量制限が決められており、 コミケットからも各企業へそれに準拠した形での搬入をお願いしています。 ところが、ある企業がその制限を大幅に超えるトラックで搬入をしようとしました。 当然ながら、そのようなトラックでの進入することはできません。 より小さいトラックへ荷物を載せ替えることになったのですが、 その段取りと実作業に大変な時間と手間がかかりました (見るに見かねてその会社へフォークリフトを貸し出しいただいた印刷会社さん、ありがとうございました)。 おかげで西4Fの閉鎖時間は大幅に遅れ、関係する多くの準備会スタッフの退出時間も夜遅くになってしまいました。 このようにたった1社の甘い判断がコミケット全体の進行を狂わせてしまうこともあります。 この他にも、ビッグサイトに来て十年が過ぎ、この会場やコミケットへの慣れが出てきたせいか、 油断のようなものがうまれてしまっていないか? 気になっています。当日寒かったせいもあるのか、 飲酒がらみのトラブルが目につきましたし、大きな事故にはなりませんが、毎日のように交通事故も起きています。 サークル、一般、企業、準備会スタッフと、参加者の皆さんは、気を緩めないで、ルールとマナーを守っていただきたいと思います。

 ご存じの通り、この冬のコミックマーケット71は、前代表である米沢嘉博が亡くなってから最初のコミケットということになりました……。 最終日の閉会直前、亡き米沢を偲んで、黙祷の時間をもうけさせていただきました。 黙祷のアナウンスが入ると、騒がしかったあの広い会場が静けさに包まれました。 その後、閉会宣言を受けての一転の大拍手。最後まで沢山の方々が会場に残り、黙祷を捧げていただき本当にありがとうございました。 コミケットはまた新しい歴史を重ねていきますので、今後ともすべての参加者の皆さんの協力をよろしくお願いします。
(2007.01.25)

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