コミックマーケット90アフターレポート

会場
東京国際展示場東京ビッグサイト
東1〜3ホール+東4〜6ホール+西3〜4ホール、西1〜2ホール(3日目のみ)

会期
2016年8月12日(金)〜14日(日)

サークル数
参加サークル数3万4千
申込サークル数4万4千


入場者数
12日(金)15万人
13日(土)17万人
14日(日)21万人


更衣室登録数
 男性女性
12日(金)1,575人4,656人
13日(土)2,580人6,046人
14日(日)2,299人4,402人


コミケット公式発行物
コミックマーケット90カタログ(表紙、蔦  表紙デザイン、鯖)
コミケットプレス44(表紙、犬)
紙袋(大)ヤマモトナオキ・(小)cartoon-tv


出展企業数
154社


マスコミ取材
 コミックマーケット90取材申込一覧

(2016年8月20日データ部分公開)


 夏コミ直前に急に猛暑モードに切り替わった今年の夏でしたが、当日は思いの外気候に恵まれ、過ごしやすかったとすら言える天候となりました。コミケ終了後から再び暑さがぶり返し、今年も猛暑と猛暑の間をかいくぐる運の強さを発揮した感があります。加えて、2013年夏コミの酷暑以降、準備会も以前にも増した対策を取っており、また、何よりも参加者の皆さんも自衛の準備を怠っていないため、熱中症で運ばれた方の数もそれほど多くはなく、救護室のスタッフも大わらわ、というような事態にはなりませんでした(トラックヤードで蜂に刺されたケガ人が出て、スタッフが蜂の巣を駆除するという、夏らしいハプニングが起こりましたが……)。

 コミケット90の一番の変更点は、将来の拡張棟工事に向けての地盤改良工事のために、屋外展示場が使用できなかったことに端を発する、会場の使い方の見直しでした。屋外展示場は、コスプレエリアであり、駐車場でもあり、企業ブースの行列を収容する空間としてもこれまで活用してきました。そして、現状の企業ブースの混雑を考えるに、屋外展示場というバッファなしに西4階のみで企業ブースを設置するのは、安全面から不可能です。まず、西1階と西4階の入れ替えを検討しましたが、西1階の方がはるかに面積は広いため、単純な交換では、サークルスペース数が大幅に減ってしまいます。そこで、企業ブースは西1・2ホールでの2日間開催、2日目夜に撤収・設営、3日目早朝に印刷会社の搬入を行うことで、3日目はサークルを配置するという少々アクロバティックな対応を取ることになりました。とはいうものの、転換そのものは事前の想定よりもスムーズに行うことができました。

 西1階での企業ブースが広くなったといっても、屋外展示場がない状況を考えれば、むやみに出展企業を増やすことはできません。「時間と場所によってはゆとりもあった」という感想を持たれた方も少なくなかったようですが、他イベントよりも広い通路幅をさらに広げて、安全を確保したことに依ります。2日間の会期については、出展企業の皆さんからは、「それで十分」という感想もあれば、「物販以外のプロモーションに割くゆとりを取れない」という声など、様々なご意見をいただいています。
 新規の企業出展としては、埼玉県(アニ玉祭)、ユザワヤ、はるやま商事、報知新聞、カルチュア・エンタテインメント(Tカード)、学研プラス(アニメディア)、徳川美術館等が挙げられます。このように新しいところから常連企業さんまでが、色々な形でコミケットという「ハレの場」に関わり、一緒に盛り上げてもらう状況が近年ずっと続いています。
 また、今回もレッドブル・ジャパンさんより設営協力参加者の皆さんにレッドブルの提供があった他、大塚製薬さんからポカリスエット・OS-1を、森永製菓さんからはinゼリーを、準備会スタッフ・救護向けとしてご提供いただきました。そして、恒例の献血応援イベント。夏ですので会場付近での献血は行いませんでしたが、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン、日本一ソフトウェア、フラワーナイトガールプロジェクト、ガールブルースター、まどそふとの各社・各団体には、ポスターにご協力いただきました。関係各位にはお礼申し上げます。
 とはいえ、特に初日の西地区全体の人の誘導については、うまくいかなかった点も少なくなく、参加者の皆さんにご迷惑をかけることになってしまったことをお詫びします。冬のコミケット91においては、またもや導線が変わりますので、この夏の問題点を準備会各部署が出し合って、よりスムーズな導線計画を練っています。

 各日のサークルさんの状況ですが、初日は、マンガ系、アニメ系、ジャンプ系を中心としたジャンル。2日目は、ゲーム系、芸能系。3日目は、男性向、ギャルゲー系、創作(少年・少女・文芸)、評論・情報、デジタル(その他)、同人ソフト他といった割り振りでした。西4階へサークルスペースを置いたことには、我々準備会もサークルも一般参加者も誰もが初体験で不慣れで、混乱した状況が少なからず発生したりもしました。重ねてお詫びします。一方、会場工事の影響による受付場所の変更により、東地区の宅配便搬出の混雑が激化している問題ですが、この冬は新しい東7・8ホールが完成し、東地区の使い方も変わることに合わせて、改善を検討しています。
 2020年に向けて、今後も毎回のように会場の使い方が変わり続けます。準備会も前述の通り反省と再検討を続けつつ次の回に取り組んでいきますが、会場の制約から100%の解決は残念ながらできません。参加者の皆さんも「近年の変化の少なかったコミケットではない」ことを改めて認識していただくとともに、準備会からの各種のアナウンスやカタログの諸注意等、今まで以上に注意いただくことをお願いしたいと思います。

 コスプレイヤーは、のべ約21,500人と昨夏より少し減りましたが、一番多かった2日目は約8,600人と、昨夏の1日当たりのピーク値である約8,000人より増えています。屋外展示場が使えなくなり、他のコスプレエリアへの分散をお願いしたのですが、これに加えて新しい試みとして今回から可能になったのが、有明防災公園でコミケットが一般社団法人DSCと共催している有明防災フェアへのコスプレのままの往来です。初日こそ数は多くなかったものの、Twitterでの告知や口コミで情報が広がったようで、二日目以降は少なからぬコスプレイヤーの皆さんが防災公園まで足を運び、広々とした芝生での撮影などを楽しんでいました。
 3回目となる防災フェア自体も徐々に認知度が高まっているのに加え、防災公園内の施設のオペレーションルーム(『シン・ゴジラ』のロケで話題となりました)が窓越しに覗けることもあって、従来よりも多くの方々が足を運ばれたようです。
 また、この夏は、いつも夏コミ前に開催されている世界コスプレサミットさんが、たまたまコミケ直前週での開催となりました。2015年春のコミケットスペシャル6からのご縁もあり、コラボレーションのお話をいただき、コスプレサミット当日は、準備会共同代表の安田が審査員を務め、コミケット当日は、海外から来日してコミケ当日も滞在していた各国代表のコスプレイヤー有志の皆さんがコミケットを表敬訪問し、日本のコスプレイヤーの皆さんとの交流が図られました。

 最後に、警察からの強い要請を受け、昨冬に続き今夏も一般参加者への手荷物確認を中心とする、警備体制の強化を行いました。参加者の皆さんのご協力をいただき、トラブルなく確認作業を行うことができました。ありがとうございました。
 以前からも申し上げている通り、東京オリンピック開催に向けて、国内で開催される各種のイベントへのセキュリティ強化の要請は、高まりこそすれなくなることはないと思われます。今後も参加者の皆さんにご負担をかけるやもしれませんが、ご理解とご協力を重ねてお願いします。

(2016年11月5日本文公開)

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[Since: Aug 30 2016] [Last updated: Nov 5 2016]